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Recording Diary vol.1

原田美桜ちゃんとLove Letter Revueで制作した「ハイヒール」という楽曲の制作秘話について。
遡ること4年前、2020年はパンデミックの影響でバンドでのレコーディングには大変苦労した時期。今でこそインフルエンザと同じ感覚ぐらいに落ち着きましたが、当時は未知の危険ウイルスということもあり、レコーディング・スタジオにセッション・ミュージシャンを集めるのは感染リスクが伴うゆえ、何度も渋々レコーディングを中止するという状況が続いていました。しかし、制作をストップする訳にはいかないと思った僕は、その頃から打ち込みスタイルのラヴァーズ・ロックという構想を持ち始めた。打ち込みであればトラックを作るためにスタジオに入らなくても出来ると思ったからですね。まだLove Letter Revue結成以前の話なので、最初は友人のカズマくん(DUB KAZMAN)を頼り、2種類のリズム・トラックを作ってもらいました。明るいポップなものとドープでキラーなトラックを制作し、その時にプロデュースしていたパリスちゃん(Frankie Paris)の新曲に取り掛かっていた僕は、そこで初めてBagus!の白川くんに作詞家として仕事を依頼したのです。ポップなトラックの方は「予約済みのKISS」になり、後にドープな方として彼が書いてきたのが「ハイヒール」でした。そう!もともとはフランキー・パリスが歌い、『Simplicity』レーベルの第二弾としてリリースされる予定だったのです。それまでの可愛らしい彼女のイメージを払拭した「妖艶な大人パリス」というテーマで書いてもらった同曲は結局、曲のムードが彼女にあまり合わないという理由から、レコーディングされる事なく、お蔵入りとなりました。それからしばらくして、僕は楽曲制作で意気投合したBagus!の白川くん、マコちゃんと共に音楽ユニット、Love Letter Revueを結成した。ユニットでの第二弾シングルを考えていたある日、かつて眠らせていた「ハイヒール」使おうという話になり、「都会の遊び上手なお姉さん」というテーマにピッタリな歌手を探すこととなった。そんな中で見つけたのが当時、京都に住んでいた猫戦のヴォーカリスト、原田美桜ちゃんだった。

猫戦 / ヴァーチャル・ヴァカンス

白川くんの知り合いだった事もあり、すぐさま彼女にゲスト・ヴォーカルとして、オファーをかけた。僕よりも2つほど若い美桜ちゃんは、レコーディング当初まだ大学生で、卒業論文を書いている真っ只中であった。バンドでも活動していたので、忙しい合間を塗ってデモのやり取りやレコーディングに参加してくれていたと思う。彼女の少しピッチのヨレた歌声がなんともアンニュイなフィーリングを醸し出しており、「ハイヒール」という楽曲に新たな息吹を吹き込んだことは間違いない。コフィの「All In The Game」という楽曲を参考にサウンドのアレンジも一新され、僕が買ったシーケンシャル・サーキット社のヴィンテージ・ドラムマシン「drumtracks」を使用したことにより、もろにアリワ調のトラックに仕上がっている。レコーディングは白川くん宅の畳の部屋に機材やマイクを設置し、簡易的でリラックスした空間の中でおこなった。間奏部分での美桜ちゃんの語りは後録りなのだが、あえてギターやキーボードなどのソロは入れず、ピチカート・ファイブのように大人な語りを入れようという事になった。美桜ちゃんの気分の上がるアイテム、つまり彼女の好きなワインや化粧品などを朗読している。キャンティD.O.C.Gやクリスチャンルブタンの首から下げるリップ・スティックなど、実際に存在するブランド名もでてくる。世間では「ドルチェ&ガッバーナ」とか出てくる曲もあるし、べつに怒られないでしょって感じで(笑)。

原田美桜 / ハイヒール

KOFI / All In The Game

ちなみに白川くんに作詞してもらった当初の歌詞は、「もう大人だからハイヒールは脱いで卒業するわ」みたいな内容だったのですが、パリスちゃんから「ハイヒールはやっぱり女性としても、脱ぐっていうのは大きな決断だし、私はまだまだ履き続けるつもり!」とメールがきたので、「ハイヒールを履き続ける」方向に修正したのを今でもよく覚えている。後に、元ピチカート・ファイブの野宮真貴さんの著書、『おしゃれはほどほどでいい』を読んだ時、「いくつになってもハイヒールを諦めないで!」と書いてあって、やっぱりリリックを変更しておいて良かったなって思いましたね(笑)。

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